TOP WATER JUNKY 「ABSINTHE STAGGER」
105mm
7/8oz class
LIBERAL ANGLERS SP [OW] -orange wing
お酒にまつわる逸話を追いかけると、それはそれは途方もない。
大袈裟でもなく人類のほとんどの歴史や文化に密接している。
アブサンひとつとっても、その存在は一つの文化といってもいい。
かつては中毒者や犯罪者を多く生み出し、幻覚幻聴など精神に影響を及ぼすとされ各国が製造,販売を禁止した。
しかしロートレックやゴッホなど多くの芸術家に愛されその感性を開花させたのも事実。
もちろん彼らを自滅させたのもアブサンだといわれるているが...。
また数々の映画や小説にも多々登場するアブサンだが、見事にどれもこれも危なかしさを彷彿させるアイコンとして扱われている。
釣り文学においても開高健の編集本などでよく紹介されているモーパッサンの「二人の友」にバッドエンドの釣りへ繋がる岐路に登場する。
釣りをこよなく愛した文豪ヘミングウェイが愛飲していたこともよく知られている。
呑み方においても様々な流儀があり、専用のグラスやスプーンが存在し、それは粋というしかなく、酒呑みには絶大に魅力的だ。
現在では成分調整など条件付きでどこの国も解禁となっている。
日本でも洋酒に強いバーなら呑むことができる。
味はとにかくクセが強い。薬草臭が強烈。そしてアルコール度数が高い。
アブサンは好き嫌いがはっきりするお酒といっていい。
裏を返せばクセになる酒ともいえる。
クセのその先は中毒。つまりジャンキー性の高い酒ということだ。
トップウォータージャンキーのダーター『アブサン』。
クセが強く風体もふてぶてしく、これも好き嫌いがはっきりするプラグだといえる。
ただし一度ハマってしまうとその泳ぎは狂粋、次第にバスが次々と食らいつく幻覚に襲われる。
まさにアブサンだ。このプラグにこのネーミングは的確だ。
アブサンはこれまで2フッカーモデルとジョイントモデルの2種が存在する。
今回、新たに3番目のアブサンが登場。
名はアブサン スタッガー。
3フックモデル。
スタッガーとは「ずらす」という意味。ずらしたのはベリーのフック位置。
チグハグにずらしたフックが不安定を生み出す。それに伴いボディー形状もシェイプアップ。
ふらつきを強調すると共に動きにキレの良さをもたらした。
いうなれば前作のアブサンより呑みやすくなったがアルコール度数は増した感じ。
あくまでイメージだが製造禁止時代に密造された強烈な刺激の危険なアブサンをたっぷり呑んでしまったようなアクション。
そしてフロントフックをずらした方向でRとLの二種に細分されている。
これは明らかに意図されたもの。その狙いは...。
眺めてるだけで酔ってくる。つまり想像力がかき立てられる。
徳島の田んぼに囲まれた納屋でこっそりと蒸溜されたアブサンスタッガー。
完全に中毒者向けです、これは。
釣具であれ酒であれ遊びであれ、「酔える」ということは、実に素晴らしいことだとおもう。