Liberal Anglers x TANIMA によるジャムセッション
”鰻の寝床”

船皿　陶磁器

銘 " G4 " -ジヨン-
作　　大江憲一

全長 約22cm

黒っぽい方　　愚羅マン
緑っぽい方　　海の妖精


日本には屋形船や船皿といった独自の文化があり、船と食文化の関係が妙に密接である。
しかしバスマンである僕らは船に乗りこみ釣りを愉しむが、食べない魚を釣る。そこに食との関係性はない。
そこで、この提案。
ジョンボート型の陶磁器を陶芸家大江憲一に依頼。舶来船を実に日本的な逸品に仕上げる。
それで飯を喰らう。と、どうなるか...。
見事にジョン船が日本の食文化に同調。　喰わないバスが日本の食文化に最接近するのである。

--------------------------------------------------
日本には鰻の穴釣りという風情のある釣りがある。

この釣りのコツは、なんといっても穴の目利きにある。

何気ない見落としがちな穴にこそ、鰻は潜んでいる。

先人達は、そんな野生の見聞をも言葉のあやとした。

間口は狭いが奥行きの深い場所や建物のたとえとして”鰻の寝床”と言う語が用いられる。

もちろんそれは建築的な特殊構造を指す表現であり、それ以上の意味はない。

しかしそのイメージを感覚的な解釈に転じれば、実にウィットに富んだ意義を帯びてくる。

世の中には、首を突っ込んでみないとその奥深さに気づかないモノゴトが、あちらこちらに埋もれている。

娯楽にも、道具にも、文化にも、暮らしの中にも、思いがけない鰻の寝床は存在する。

鰻の寝床探しは、現代の情報オーバーロードによる感性麻痺に最良な処方箋である。