TOP WATER JUNKY ”BEDBUG SS”
LIBERAL ANGLERS SP "OW"
2020年、今年で日本にバスが移入され95年となる。
保守的な学者や排他的なナチュラリストなどの一方的な主張により、常に「害魚」というレッテルを貼られ続けているが、ここ日本で釣魚としての確固とした地位と人気を獲得したのはまぎれもない事実。
これは完全に必然的な結果である。全てが「読み」通りだったと言える。誰の「読み」かというと、言うまでもなく赤星鉄馬氏である。
この日本においてのブラックバスの「釣魚としての将来性」についての昭和13年頃に書かれた遺稿「ブラックバッス」にこのような見解を残している。
-抜粋-
「我が国の擬似餌はトラウトのフライを除いて、ひいき目などではなく世界中で一番研究され発達していると信じている。 〜中略〜 ここにもブラックバッスに対する意義が潜んでいるとおもう。我々日本人がもう少し工夫したなら一層効果的な疑似餌が案外簡単に出来るのではないだろうか 〜中略〜 私がこの魚の日本における将来性を確信しているのは、こういう疑似餌の問題も念頭に置いている」
赤星氏は「エギ」や「ツノ」など日本の擬似餌漁具の研究家で蒐集家であった。もちろんその名手だったとも聞く。
日本人の擬似餌に対する創意工夫や熱意などを高く評価し、ブラックバッスの為の日本の擬似餌、つまり「日本のバッスプラグ」の可能性をこの頃に既に予測し、それと共にバッスフィッシングが発展すると将来性を読んでいる。
まさに的中している。日本の大手メーカーのバスプラグなどは、バスフィッシングの普及と共にどんどん発展し、今や世界水準にまでなった。
とても素晴らしいことだ。だが個人的好みで言わせてもらえば「行き過ぎ」だ。(笑)
赤星氏はアメリカのバスプラグを「不器用で極端」と辛口に評しつつも、「アメリカのアングラーたちはそれで相当な効果を上げている」と成果的には認めている。その上で「我々日本人がもう少し工夫したなら...」と書き残している。
この「もう少し」の具合。これが肝だと考えるのが自分の見解であり、趣味の域。
TOP WATER JUNKYのBEDBUG SSは、紛れもなくその線上のバスプラグだと言いたい。
日本的漁具を彷彿させる黒蝶貝のブレードに、「器用で大胆」なデザインとカラーリング。
クリークチャブのビートルをアイデアソースとして感じられるが、アクションは全く別物。
かたや甲虫、かたや南京虫であり、その性質の違いははっきりしている。
赤星さんが、おおよそ80年前に思い描いた日本の未来のバスプラグの形は、こういったものではないのか?
もし、この日本製のバスプラグ”BEDBUG"を見ることができたなら、どう思うだろうか?
きっと…….いや、絶対にニヤリとほくそ笑むはずだ。
一人の男が描いたロマンと夢に感謝とリスペクトを。
ブラックバス移入95周年となる6月22日「ブラックバッスの日」はもう目前。